メモをまとめました。
ちょっと僕の時間があまり無いので美しくまとまってはいないですけど、雰囲気は伝わると思います。村本さんはても気さくな人でサービス精神の旺盛な方でした。
以下()は僕の補足とコメントです。
■■■■■村本浩昭氏の仕事と渡りあるいた会社の事■■■■
・ドリームピクチャー→weta→Framestore→sonypictures→Framestore→weta→国内に来たところ(どこでしょ?)
・参加作品。ロードオブザリング。アイロボット。キングコング。スーパーマンリターンズ。アイムレジェンド。ライラ。ナルニア。ウォンテッド。オーストラリア。ミーアンドオーソンウェルズ。ラブリーボーン。アバター。
・2000年のときにwetaに入るのは簡単だった。
・ソニーピクチャーは良い会社だったが車の免許が無かったので移動が不便だった。
・海外のねらい目はイギリス。
・wetaは元々ピータージャクソンの仕事をするための会社。大きい仕事をドーンとやる。
・反面ロンドンの会社は少ないカットで仕事がチョコチョコ来るスタイル。
・wetaはキングコングでひどい目にあったが戻りたくなる良い会社。環境が良い。
・村本氏はEnvironment TDをやっている。(聞いているとBG製作のようだ)BGに入っていくる雲や炎なども手がける。ミニュチュアの合わせやマットペインターの手配もやっている。(聞いた感じではアニメーションの人員がとられてBGの人員は極端に少ないため技術的なことも含めて色々多くのことをやっている印象だった。よく聞く石ころを数ヶ月延々と作るといった感じではなさそう。)
・1998からいままでずっとMAYAでやっている。+レンダーマン+shake。最近ではNUKEを使う。
・ソニーだけインハウスを使いほかの会社はほとんどインハウスを使わなかった。ソニーのインハウスはKATANAなど。そのほかはMAYA+shake。
・BG作成は監督があまりこだわりが無いことが多く、楽。
・20カットくらいを一人でやることがある。ほどんどアニメのほうにリソースが行ってしまいBGの人員は後回しにされてしまう。
・マットペインターは重宝される。海外にいくならマットペインターが有利。
・wetaのトップはジョーペッテリン氏。元々シェーダーライターのサイエンティスト。なのでマットペイントを使わずにすべて3Dでやりたがる。(発注して3日以上かかるし再度ライティングできないのが嫌らしい)
・でも結局マットペイントを使う。簡単に絵を埋めることが出来るので重宝する。需要はとてもある。
■■■■海外で働く話■■■■
・海外で働く場合ロンドンが良い。アメリカはビザが厳しすぎる。(大手だとなんとかしてくれることも)
・ロンドンのVFXベンダーは地位が向上している。
・ハリーポッター効果。各スタジオが製作体制をととのえていて、キャパシティー、ノウハウがアップ。
・撮影自体をロンドンの撮影所でやる傾向がある(パインウッド・シェファートン)
・アメリカのメジャースタジオのヨーロッパ支店がロンドンのソーホーにある。
・ロンドンはユニオンが弱いので人件費が安く済む。
・ポンドが下落していることも良い。
・英米のVFXプロダクションがカナダ、インド、シンガポールに出来てきている。英語が使えるのが強い。カナダ、インド、シンガポールオススメ。オーストラリアもオススメ。
・こういう英国や米国以外のプロダクションを経由して経験を積んでアメリカ、イギリスに行くのも良い。
■■■■アバターの話■■■■
・最初2000カットすべてwetaが仕事をとった。
・ゴラムの質感を気に入りジェームスキャメロンがwetaにした。
・キャラ大群すぎること、あとニュージーランドドルの下落で400カットはILMに頼んでしまった。
・村本氏は浮かんでいる岩のセットアップをやった。カットワークは4カットほど。
■■■■■WETA■■■■
■wetaの強さの秘密。
・国の政策により、世界中から人材をほとんどビザの制限無くリクルートできる。
・物価が安く減税措置がある。
・米国系のワークフローで洗練されてい、効率が良い。
・ソフトとハードのリソースが豊富。
・強力なITサポート、CGはITサポートの上で成り立っているのでITサポートは重要。その点wetaは最高。ここまで設備がいいのはほかに見た事がない(ITサポートっていうのはサーバの管理や通信。ソフトの技術的な事っぽい)
・社員はいない。
・みんな近くに住んでいる。
・英語圏の国にある。
■wetaの短所
・建物が7箇所あり離れている。
・建物ごと別会社のような雰囲気。
・ピーターの作品を作っていないときは会社の規模が縮小。
・ほぼ完全に輸出企業なので為替の影響を強力に受ける。
・営業が下手
・アメリカ人とそれ以外の二重構造。
・3DCG部門主導型(これはなぜだめなのあまり説明が無くかわからなかった。経営のプロじゃないから?)
■wetaのワークフロー。人的なバックグランド
・強力なITサポート。地元の理系大学生の希望就職先NO1がweta。優秀な人材が集まる。
・ランニングコストが安い。ロードオブザリング以降はソフトやハードのリソースを潤沢にした。そのおかげで逆に人件費を抑えることができた(ほんと?)
・色々な国の人が集まるので技術はやアイデアが集まる。(これは確かにありそう)
・トップの人たちがワークフローや技術革新の重要性を認識している。
・ITの業種が細かく分かれている。マシンソフトサポート、webイントラ維持、パイプラインエンジニア、ソフトウェアエンジニア、データマネジメント、レンダリングサポートリソースマネージメント。
■wetaプロダクションワークフローの基本(この項目は時間がなくて割愛されたのでプロジェクッタに映ったものだけメモします)
・各人、各工程の進捗状況の可視化とそのための自動化。
・ショットサブ
・hi-defモニター
・オンラインデータベース
・担当者、素材、進捗状況、最新バージョン、コメント
・ショットのライフサイクルを中心とした設計
・作業している人に素材を長時間握らせず、出来るだけ早く、しかも頻繁にレビューにまわすシステム。(これは納得)
・「レビューの回数=クオリティ」という考え方
フィルムデイリー(9:30)(←説明がなかったので謎)
デイリー毎日(10:30)(←説明がなかったので謎)
■wetaに関するその他。補足。(くりかえしなになるかもしれないけど)
・アバターは何百人も関わっているのでで思い入れが少ない。60人くらいでがんばったラブリーボーンを見てほしい。
・アバターをやるほうなのは1軍。ラブリーボーンはアジア人が多い2軍がやっている。
・wetaは社員がいないため、ブラック企業。保険も何も無い。社長もちょっと前までは請求書をポストに投函していた。
・みんな近くに住んでいる。地価の問題でtokyoでは無理ではないか。
・トップが3DCGの技術者だったので3DCG部門が主導を握っている。
・レンダリングのエレメントを出さない。ほぼ一発レンダリングで出している。(実写なのにすごい!)
・心情としてはコンポジターは入れたくない(しょうがなく入れるけど)
・反面ロンドンではコンポジターのほうが権限が強い。素材を沢山出せといわれたら従うしかない状態。コンポジターはking。3Dスタッフは素材屋。最終の絵はコンポジターに委ねられる(日本のVFXも結構そうですよね)
・wetaはマシンが強くなったのでコンポで調節することはせず3Dでレンダリングしてしまう。
・マシンがどんどん強くなっていけばコンポジターがいなくなるんじゃないかという話もよく出る。
・パイプラインエンジニア、ソフトウェアエンジニア、レンダリングサポート(ラングラー)など分かれている。ラングラーは夜中もずっと会社にいてレンダリング管理だけをする。ちょっとしたエラーなら直してレンダリングしてしまう。
以上こんな感じでした。村本さん、スタッフのみなさますばらしいセミナーありがとうございました。